ダラスの暑い日

寄付

2009年07月29日

校舎のトイレのドアに、寄付を募るポスターが貼られている
パーカー大学の教授が病気になったらしく、そのための寄付だ
「スターバックスのコーヒーやビールを1回やめて、寄付しよう!
父であり、夫であり、友人であり、教授であり、カイロプラクターである彼を救おう」

日本じゃ、大学の教授が病気になっても、学生が寄付を募ることはないよなぁ~
せいぜい、研究室の学生がお見舞いの花を贈るくらいだろう

また、卒業が近づいてきたので、今回の最後の授業の後
寄付について、クラスで話し合った
まず、このプログラムに寄付するか、お世話になっている乗馬クラブに寄付するか?
次に、現金か品物か?

何人かが意見を言った後、多数決を取る
圧倒的多数で、乗馬クラブに小切手で寄付することになった

日本では、こういうときの寄付も一般的ではないので、同じホテルのドナに聞いた
「日本では、寄付の習慣はないんだけど、幾らくらい寄付するものなの?」
「みんな、$20くらいって考えているみたいよ」
そうかぁ、すごい大金じゃなく、無理のない金額ってことなんだ
来月の授業の時に集金して、まとめ役の人が小切手にして渡すことになった

すると、ドナに質問された
「日本でも、動物のための施設は寄付で成り立ってるの?誰が寄付するの?
それとも、政府がお金を出してるの?」
う~ん。。。。困った質問だ!
英語力が高かったとしても、日本の現状をアメリカ人に理解してもらうのは無理!!!
まして、あんまり英語力がないので
「え~っと、動物好きの人が寄付するの」
としか、答えられなかった

日本では、まだまだ動物の社会的地位は低く、動物関連の仕事も地位が低い
獣医師といっても、いわゆる「ドクター」の地位とは全く異なる
開業獣医師は、「個人事業主」あるいは「株式会社の代表取締役」
獣医業はサービス業に位置付けられ、人医療のような税金面での優遇は全くない
健康保険がないから、診療費が高いと思われがちだが、実はヒトの半額ぐらい。。。。

そういえば、当時は国立だった大学病院で研修してた時、イギリスに住んだことのある
飼い主さんから、寄付の申し出があったことがある
でも、「国立」なので金品の授受は受け付けていない、と丁重にお断りしたんだっけ
日本で寄付や動物の地位向上が普通になるのは、何時の日だろう?    (つづく)